食物栄養専攻~産学連携について福島県中小企業家同友会福島地区産学連携委員会で講演を行いました。
福島県中小企業家同友会(以下、「同友会」)では、「良い会社をつくろう」「良い経営者になろう」「経営環境を良くしよう」の3つの目的をもとに、10支部に約1,850名の会員が、学び合いと経営実践を続けており、本学も福島地区の会員として参加しています。また、様々な形で地域貢献も行っており、先日、市内の中学生のみなさんを対象に行なった「中学生ドリームアップ事業」も、同友会からの紹介で実現したものです。そして、短大を含む高等教育機関との産学連携による一層の事業推進を考えている会員企業も多く存在します。
この度、上記のような様々なご縁をきっかけに、産学連携による研究経歴が豊富で、現在も、本学での研究成果の社会実装を進めている生活科学科食物栄養専攻の梶谷宇教授が、「福島県の女子短大から世界を変える産学連携」と題して、同友会の福島地区産学連携専門委員会で、産学連携についての講演を行ってきました。
短大を含む高等教育機関の使命は「教育」と「研究」です。また、それぞれの成果を社会に還元していくことも重要な責務であり、「教育成果の社会還元」については、人財輩出という形で可視化されてきましたが、「研究成果の社会還元」については、不透明な状態が続いていました。1990年代ごろから盛んに叫ばれるようになった「産学連携」は、研究成果を産業に直接結びつけていく活動と定義されており、「研究成果の社会還元」を可視化する上で重要な活動の一つです。そこで社会実装の基盤や、梶谷教授のこれまでの経験、そして、梶谷教授がゼミ学生とともに進めている研究の社会実装への取り組みの紹介を通じて、同じ方向を向いて、研究成果の社会還元を通して県内の産業を盛り上げていきたい、との思いを伝えました。講演後は大きな反響があり、いくつかの企業からは早速、「このような取り組みは可能か?一緒にできないか?」などの質問が飛び交っていました。
研究成果の社会実装までには「死の谷」と言われる大きな障害があるとされていますが、地域の事業家のみなさまと密接に意見交換し、協働体制を築いていくことで乗り越えていけるものと信じています。今回の講演はその端緒になったものと思われます。今後も、梶谷教授をはじめ、桜の聖母短大の各教員の研究成果の社会実装に向け、産学連携体制の強化などに、全学的に取り組んでまいります。