【生命科学】テキオウホウサン?シュウソクシンカ?
地球上にはいろいろな生き物がいる―――当たり前のことですよね。
でも、学問は当たり前が一番むずかしい。特にこの「生命科学」の授業では、それを強く学生たちは感じているかもしれません。
たとえば、同じ種類であるにもかかわらず、さまざまな姿かたちに分かれている生物っていっぱいありますよね。これは「適応放散」と呼ばれる現象で、共通の祖先を持つ生物が、それぞれ異なる自然環境に適応していくなかで異なる系統に分かれることを指します。ダーウィン・フィンチと呼ばれる鳥は「どのような餌を食べるか」によってクチバシの形状が違うのですが、これも適応放散の一例です。
その一方で、本当は別の種類なのに、なんだか同じような姿かたちの生物というのも多く見られませんか?代表例のひとつは、イルカとサメでしょう。イルカは哺乳類、そしてサメは魚類ですが、同じような姿にも見えます。これは先ほどの「適応放散」とは逆の「収束進化(または収斂進化)」と呼ばれる現象で、本来は別々の生物なのに、自らを取り巻く環境が同じような条件であるために似通った姿に進化していくことを指す言葉です。
どちらの現象も、科学的に考えれば深い背景が存在することがわかりますよね。私たちが「当たり前」として見過ごしてしまっている出来事にも、さまざまな冒険が潜む。キャリア教養学科の学びは、そんな視点を重要視しています。