アルバイトにも有給休暇があるって知ってた?
キャリア教養学科1年生専門科目「労働法制と人権A」は、人類の長年にわたる人権保障の対象拡大の歴史と、現在も続く差別問題などを学び、それらを基礎知識として、社会権としての「労働権」について考察しています。6月30日の講義では、労働法の基礎知識を学ぶために、学生によるロールプレイが行われました。シナリオは、経済学者伊田広行さんらが作成したテキスト『働くときの完全装備』から使用しています。
ラーメン店「ぼちぼち軒」の求人に応募してアルバイトする田中さんと店長の会話です。
田中「えっと……店長」
店長「なんや、もう上がりやろ? はよ帰りぃな」
田中「あの、深夜割増賃金をちゃんと25%増しで払ってほしいと思いまして」
店長「25%は努力目標で、うちは15%やって説明したやろ」
このあと、田中さんは労働基準法37条の規定を根拠に、25%の割増賃金を獲得することになります。法を知り、法を生かすことは、自分の生活を守ることです。性別や年齢にかかわりなく、人が人たるに値する生活をするために、労働には正当な対価が保障されていることを学んでいきます。このあと、正規、非正規の区別なく、半年以上勤務し、出勤率が8割以上という条件を満たしていれば年次有給休暇が取得できることなどを学んでいきます。
アルバイトをする学生、就職活動をする学生にとって、まさに「完全装備」できる学びです。関西弁で店長と田中さんを演じた二人の学生には、大きな拍手が送られました!