福祉学~ルワンダの教育を考える会「教育は平和と発展の鍵」~
福祉学は、1年生全員が受講する本学独自の共通の科目です。地域社会の現状と課題について授業で学び、例年ですと地域に飛び出し実際のボランテイア活動を30時間以上行う科目ですが、今年はコロナ禍の影響で残念ながら外での活動はできませんでした。
授業の最終回は、毎年「NPO法人ルワンダの教育を考える会」のお話を伺っています。今年は同会の永遠瑠 ルーシーさんにお話しいただきました。
ルーシーさんは、アフリカにあるルワンダ出身です。1994年ルワンダ内戦が勃発後、お母さんのマリールイズさんと一緒に避難のために来日し、縁あって本学へ入学された桜の聖母の卒業生でもあります。
今回は「ボランテイアという生き方~ルワンダと日本を生かされた体験から学ぶ」という題で話をしていただきました。
話の内容は、ルワンダの国の概要からルーシーさんのこれまでの生い立ち、そして「ルワンダの教育を考える会」に携わるまでと多岐にわたりました。
ルワンダは、同国の共和国憲法にて「指導的機関の地位のうち少なくとも30%を女性が占めるものとする」と定めるなど世界的にも男女平等が進んでいる国の一つです。実際に大臣の50%を女性が占めているなど日本とは大きな違いがあり、学生たちもとても驚いていました。
そして「ルワンダの教育を考える会」のお話です。同会は、ルワンダのキガリにウムチョムィーザ学園(ルワンダ語で良い文化学園の意味)という幼稚園と小学校を建設しました。今では15教室があり、これまでに325人の子どもたちが卒業したそうです。
活動を始めた当初、ルワンダの子どもたちに「将来何になりたい?何がしたい?」と聞くと「私たちは大きくなるまで生きられますか?」と返されたそうです。いつか子どもたちに将来の夢を普通に語ってもらえるようにしたい。その思いを基に活動は大きく広がり、今では給食施設ができ、グランドができ、子どもたちの大運動会も開催することができたそうです。そしてここ福島からも鍵盤ハーモニカやサッカーボールなどの学用品をはじめ多くの支援があり、大変役立っているそうです。
詳しくは「ルワンダの教育を考える会」のWEBサイトを是非ご覧ください。
http://www.rwanda-npo.org/
学生たちの振り返りコメントを紹介します。
「ルワンダという国は身近な国ではなかったが、今回過去の内戦の歴史から、現在女性の閣僚が全体の半分を占め世界1位と知りました。私たち日本の暮らしと比べ、命の尊さや平和の違いに驚きました。特にルワンダの子どもが「僕たち大きくなるまで生きているのかな」という言葉は、日本の医療(小児科の難病など)以外の普段の生活からでは聞きません。ルワンダに必要な援助を、日本はじめ私たち桜の聖母短期大学生が出来る事を、ルーシーさんに協力したいと思っています。貴重な講演ありがとうございました。」
「ルワンダの国がアフリカにあると知りました。本学先輩であるルーシーさん自ら内戦を体験し、死者が何百万人と驚きました。その先輩がルワンダの子供たちが教育を受けるために御尽力していることを聞き、私は尊敬できる先輩を持っていると実感できました。自身の身の回りにも、社会的弱者に対して何ができるかを問う良い機会を頂き感謝します。」
学生たちも大きな学びと次につながるきっかけを頂いたようです。ルーシーさん本当にありがとうございました。