新型コロナで問われたものとは何か? ~編入支援クラス:小論文トレーニング~
今回も読売新聞社の竹内先生からご講義をいただきました。今回のテーマは「新型コロナで問われたものとは何か」です。
新型コロナは世界的パンデミックであり、私たち一人ひとりに振りかかる課題です。世界のどこかの、誰かの問題・・・ではありません。だからこそ、どのような論点があるのかをきちんと整理して知っておくべきなのです。
今回は、①コロナ対策に関する政治的対立②危機に対応する国家・社会のあり方という2つの論点を分解して、一つ一つ丁寧に解説していただきました。
たとえばみなさんは、マスクは社会全体の安全のために着用命令があったほうがいいですか。それとも着用するかどうかも表現の自由なのだから、個人の判断に任せるべきだと思いますか。マスク着用の問題一つを挙げても、諸外国ではさまざまな政治的意見の対立が起きています。またご存じの通り、どの職種・活動を制限し、それは誰が決めるのかもその基準が議論されるところですね。
竹内先生は、コロナ対応が浮き彫りにした一つの問いとして「生きることは何か」だったと指摘してくださいました。感染リスクと人権制限のメリットのバランスの問題もそうですが、人と人が直接触れ合うことや顔が見えることの意味など、より肉体的・哲学的・倫理的なことも問うのが今般のパンデミックです。
ワクチンは?五輪は?経済格差は?医療体制は?教育の質は?
挙げればキリのない課題が浮き彫りになりました。パンデミック惨禍下で生きる学生たちは、一人の社会の構成員として当事者性をもって意見を持つことが求められています。さて、どのような視座をもって意見を出してくるのでしょう。今後が楽しみです。