MENU
  • 資料請求
  • オープンキャンパス

福島学 特別授業


 NPO法人ビーンズふくしま母子サポートネット事業長 三浦恵美里様 をお迎えして、震災後の子育て支援活動について特別講義をいただきました。
 福島学受講生の多くは、東日本大震災のあった2011年は、4月からの小学校入学を楽しみにしていた時期でした。子どもであったあの頃とは違い大人になった今、当時の子どもであった自分を改めて振り返り、また自分の親がどのような気持ちで自分を支えてくれていたかを考える機会にもなったようです。
 また、自分の選択はもちろん他者の選択についても、それぞれの選択を尊重できる人でありたいという感想も多く寄せられました。復興支援のみならず、傾聴の大切さや安心できる居場所、安全な居場所づくりについての感想も多く寄せられました。
 
【学生の感想から】
①当時子どもであった自分、そして親について考えたこと
・当時、小学校にすら入学していなかったので、知らなかったのは無理もない。しかし、成長した今は、福島県民として、知っていなければならないと思う。福島県民として生まれたので、ネットや本では得られない、生の声を聴き、震災の恐ろしさを後世に伝える役割を担う必要がある。
・震災が起こった年からいとこが帰ってくるまで、夏休みに毎年2週間ほど、いとこの所へ遊びに行っていた。「少しでも放射線からはなれるため。避難ができない代わりに行っていた」と言っていた。避難とまではいかなくとも、放射能から離れた方がいいのではという考えはあったということである。自分の知らないところで、大人たちは葛藤していたことが理解できた。
・私自身も約2年間県外に避難していたが、全く辛く感じなかった。それは両親や周りの人の支援がとても大きかったのだと改めて思った。
・震災後のママたちは子供達を避難させるべきかや、これからどうして行こうか不安であったと思う。震災当時、私は小さかったため、記憶があまり無かったが、母親は自分の世話をするために色々考えるのに必死で大変だったと思う。
・東日本大震災の頃を思い返すと、家族に外に出る時はカッパを着なさいと言われていたり、入学してから小学校に避難してきた人が多くいたりしていたと思う。その当時の親達は子どもを色々考えてくれていたのだということを理解できた。
・子供は親などに頼れるが、親は困ったことがあっても相談する人がいないため、不安であったと思う。
・震災時は情報が少なく、何をするにも不安が付きまとったり、福島県内の屋外施設で遊ぶのが怖く、県外に行って遊んだりしていたということを聞いて、何をするにも不自由だったのだなと感じた。改めて両親への感謝の気持ちでいっぱいになった。
 
②震災後の心配や不安への対処について、それぞれの選択について
・いろいろな価値観を持った人が日本の中にも存在しており、相手に思いやりの心を持てない人もいるのだと残念に思ったのを覚えている。
・「避難者として扱われたくない。見られたくない。」という当時では珍しい意見も、今になってみれば的を射る考えであるといえる。このことから、色々な意見が挙がり、そのタイミングでは理解しにくい考えも、時間を空けたり、実情を調べたりすることで正確さが見えることがあると気づいた。
・考え方は人それぞれ違うため、行動もそれぞれ違ってくるだろう。こういったときに、お互いの本質を否定せずに、あの人にはあの人の考えがあると、考えられるようになることが人間関係を良好に保つために重要であろう。
・震災後原発事故により避難をせざる負えない方、避難をしない方、避難をしたいけどできない方、様々な方がいた中ですべての選択は間違えも正解もないということを知れた。
・震災をきっかけに、大きな選択を余儀なくされてきた人たちのその選択は誰も間違っていない。家族のためを思い、親は最善の選択をしたのである。
 
③ママカフェの存在から考えたこと、未来に向けて取り組んでいきたいこと
・ママカフェで、生活面や子育て・自分自身の悩みを打ち解けることで、自分にとって安心できる場所・居場所になるのではないかと考えられる。
・ママカフェで大切にしていることが「傾聴」だと学んだ。放射能の心配や避難などによってストレスを抱えていたママたちにとって、話を聞いてくれる場所があるだけで安心できたと思う。支援団体の方々は災害によって悩む人々の心情を何より気遣っているのだと気付いた。避難先でもこのように安心できる場所が必要なんだと考える。
・復興をしていく中で悩みを共有できる場所を地域でつくることで世代関係なく自分の居場所を持つことができる。居場所があれば住みやすい地域として福島に魅力が感じられるようになると考える。
・私たちが次は伝える番だと思う。この体で何を感じたかをインターネットが主流の時代を使って、発信していくことが重要である。

©Sakura no Seibo Junior College. All Rights Reserved.