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福祉学I(第6回)「フードバンク二本松の活動の実際と意義・理念」


 「福祉学I」の授業も2023年7月25日で6回目をとなり、1年生も建学の精神「愛と奉仕に生きる良き社会人」に対する理解が深まってきたように思われます。今回はそんな「愛と奉仕」の精神を身につけつつある学生たちにとてもふさわしい先生をお迎えして講演をしていただきました。一般社団法人フードバンク二本松理事長の柳沼千賀子先生は、本学の卒業生であり、また、卒業後には大学院でさらにキリスト教についての学びを深め、現在はフードバンク活動を通して「愛と奉仕」を実践されている、まさに学生たちのロールモデルになる大先輩です。


 フードバンクの活動、そして、その活動が盛んになるきっかけであるフードロスの問題について、多くの具体的な数値(全世界の途上国への食糧支援量より、日本だけにおける食品ロスの量が1.5倍も多い、福島県のゴミの量は全国ワースト2位で、県の中でも福島市はさらに多い、など)を示しながら、問題の深刻さを丁寧にわかりやすくご説明いただきました。また、食品ロスの問題に限らず、農業問題・環境問題・貧困率の上昇といった、東日本大震災による原発事故から顕在してきた内容についても俯瞰しながら、フードバンクが必要とされてきた背景や歴史についてもお話いただきました。          
 さらに、活動の内容の説明も非常に具体的で、学生たちも熱心にノートを取って学びを深めているようでした。

 そして、聖書から「多く集めた者も、余ることはなく、わずかしか集めなかった者も、不足することはなかった」という言葉を引用し、そのような社会を目指していこう、とのメッセージも、建学の精神が身につきつつある学生たちにはとても印象深かったようです。
 
そんな学生たちがレポート作成に臨む姿勢も真剣そのものです。
 
そのレポートの一部をご紹介します。
 
・私達が普段、普通に生活している間にも、明日の生活に悩む人がいるというお話を聞き、改めて自分が置かれた環境に感謝しました。
・私はアルバイト先で、多い量の注文をする方々をよく見かけており、その結果、ものすごく多い量の廃棄食品が出ていて、もったいないなと日々実感しています。「多く集めた者も、余ることなく、わずかしか集めなかった者も、不足することはなかった」という言葉通りの生活ができるように、少しでもフードロスがないように心がけていきたいと思います。
・授業の中で紹介されたマザー・テレサの言葉「余裕があるから笑顔が生まれる」から、食糧や物を与えて余裕を作る、というだけでなく、愛を与えることでも、その人の少しの余裕や笑顔につながるのだと考えました。
・私にとってフードバンクやフードドライブ・フードパントリーといった活動はとてもなじみのあるものです。高校生活の中で、コロナ禍で増えた困窮者の方々を対象にそのような活動を行っていた経験があるからです。このような活動をしている中で思ったことは、参加される方が安心感を持ち、自分自身や家族のためとして、なんの恥じらいも持たずに、笑顔を増やすために来てもらうように工夫をすることです。
 
外部講師の先生をお招きして勉強するのもあと1回、その後は、これまでの講演を参考にしながら、「愛と奉仕」の実践に移っていきます。どうやって実践するか、についても、講演内容や各自の経験をもとに、考え始めているようです。
 
今回ご講演をいただいた柳沼先生に改めて感謝申し上げます。

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