食物栄養専攻「特別研究」県産ブドウの機能性成分分析とさつまいもスイーツのメニュー開発
食物栄養専攻の2年次では、前期・後期を通して食生活、健康科学、栄養データサイエンス、食物学の4領域に分かれそれぞれの研究テーマで1年間の取り組みをまとめ、その成果を展示や口頭形式で1年生、入学予定者、教職員に向けて発表します。食物学ゼミでは、食品成分の分析、嗜好調査・官能検査、食品開発など一人1テーマで研究を行っています。
今回はその中から、下記の2つを紹介します。
一つ目は、福島県内で収穫されたブドウ 3 品種の成分分析です。夏~秋にかけて旬の黒ブドウ系(あづましずく、巨峰)と赤ブドウ系(シナノスマイル)をサンプルに、果皮に多く含まれるアントシアニンなどのポリフェノール類、老化や生活習慣病に関連する活性酸素の消去能を反映する抗酸化活性、糖類、有機酸類などを測定し、官能検査の評価と共に考察します。黒ブドウ系は、酸味と渋味が強く組織が硬い果皮を除いて食べる方も多いと思いますが、果皮を除いたものとそのまま丸ごとのものでどの程度の違いがあるかを比較しています。また、サンプルのブドウはいずれも糖度が 20%前後あることから、その甘味と酒石酸やリンゴ酸由来の酸味とのバランスについても今後は検討していきます。
二つ目は、市内のカフェに提案するさつまいもスイーツのメニュー開発です。提案先の古民家カフェ imoca さんでは、大波地区で生産される紅はるかを干し芋に加工する際、削られる未利用部をチーズケーキやプリンに仕立てて提供されています。4 月から打ち合わせ、市場調査、コンセプトの設定、材料の選定、試作を経て、今月カフェ関係の方々に試作品の試食評価をしていただきました。メインになる紅はるかの未利用部は、干し芋と焼き芋の良いところを併せ持ったような食味で、その素材力を生かしたメニューを提案したところ、11月にカフェ内で実際に提供できることになりました。メニュー開発した学生自身が製造・販売に携わる予定です。詳細は決まり次第、本学ホームページでもお知らせします。
福島大波・古民家Café imoca ホームページ:https://imoca.jp/
特別研究ではこのようなメニュー開発・成分分析以外にも幅広いテーマで取り組んでいます。今年度の特別研究発表会は、2024年2月29日(木)を予定しています。