401 この不安の時代をどう生きるか~人生の各時期の社会と医療の状況~
この講座は、福島県立医科大学で脳機能の研究・教育に携わり、同時に摂食障害に苦しむ人たちとその家族にかかわってきて、今は精神科医として活動している香山が、その経歴の中で考えてきたことを人生の集大成として伝えておきたいと考えるものです。
ほぼ2週間ごとの水曜日の夜に行われる全16回のシリーズの内容は、生き方にかかわる「こころ」のありようを中心に、人生の中で考えておくべき問題の解説講義と、その後のディスカッションです。講義はいずれも、心理や福祉の援助専門職の方々に聴いていただいても耐えられる内容にします。
この講座も5シリーズ目になり、今回はさまざまにこころに抱えることになった苦しさを、人生や社会の中で考えようとします。具体的なテーマは下に示すとおりです。
春シリーズ(5~7月) 「人生の各時期の社会と医療の状況」
1.幼児期~学童期:発達障害や虐待トラウマを抱えて
2.不安に揺れる思春期:象徴としての重大少年犯罪
3.終わらない思春期:引きこもりが80-50問題にも
4.働き盛りの中高年:老化の不安におびえながら
5.認知症:介護に苦しむ家族と幸せに生きるには
6.死を迎える:どのように死に、それまでどう生きるか
秋シリーズ(9~11月) 「吹き出してくる不安の現れ方」
1.不安障害や身体化障害:不安に襲われたときの心と体
2.解離性障害:強い不安・恐怖で脳機能の一部を切り離す
3.うつ病=精神エネルギーの枯渇:現れ方の時代による変化
4.双極Ⅱ型障害とパーソナリティ障害:気分変動の激しい人たち
5.アルコール・薬物・ギャンブル:生き延びるための依存症
6.若い人たちの不安のあり方:学生相談室に見られる変化
冬シリーズ(1~2月) 「不安に揺れる社会の中で生きる」
1.大災害後の人々の分断:その福島で生きる
2.心的外傷後ストレス障害:心の傷を癒していくために
3.ネガティブ・ケイパビリティ:人生に折り合いを付ける
4.地域・家族の崩壊:その中での親の仕事とは?
講師: 香山雪彦 (福島県立医科大学名誉教授・一般財団法人桜ヶ丘病院 医師)
1945年 京都市に生まれる。小学校から高校まで和歌山市で育つ。
1970年 山口大学医学部卒業。山口大学病院 麻酔科助手。
1974年~1976年 米国ロチェスター大学脳研究所留学。
1977年 倉敷中央病院 麻酔科・ICU勤務。
1978年 大阪大学医学部 付属高次神経研究施設 神経生理学研究部 助手。
1984年 秋田大学医学部 生理学第一講座 助教授
1987年 福島県立医科大学 生理学第二講座(後に医学部神経生理学講座)教授。
2011年 福島県立医科大学 定年退職。福島学院大学 大学院臨床心理学研究科 教授。
2016年 福島学院大学退職。桜ヶ丘病院勤務
1992年から 精神科医・看護師・心理士の有志とともに摂食障害に苦しむ人たちとその家族の自助的なグループ「福島お達者くらぶ」のスタッフを務め、現在は事務局を担当
主な著書 『病棟で働く人のための生理学』 学研メディカル秀潤社
『食を拒む・食に溺れる心II:生きづらさと依存からの回復』思想の科学社
講座番号
401
講師
香山 雪彦(福島県立医科大学名誉教授・桜ケ丘病院精神科医師)
曜日
水曜日
時間
18:30~19:30
日程
05/13・05/27・06/10・06/24・07/08・07/22受講料
6,820円(全6回)
定員
20人
申込受付開始日
2019年度受講生は3月4日(水)より。新規受講生と2019年度以外の受講生は3月11日(水)より。