今回は、片柳弘史神父様から「豊かな命を生きるために」というテーマのご講話を頂戴しました。本学では「インサイトセッション」という行事を大切にしています。神父様のお話を通して学生たちは自身を内省し、省察し、自分の生き方を考える行事です。今回は、生涯学習センターの受講生もこの行事に出席し、学生と共に豊かな命とは何か、愛とは何か、誰のために生きるのかを学び、ともに考えました。
片柳神父様は、カルカッタにてマザー・テレサのもとでボランティア活動をし、マザー・テレサから直接神父になるように勧められた方です。
神父様によれば、マザー・テレサに出会う人はみんな「あ、私が一番、マザー・テレサに愛されている、大切にされている」と思ってしまうそうです。それが、わずか5分でも10分でも・・・です。それはいったいなぜでしょうか。それは、近距離でキラキラ輝いた目と笑顔で、私たちの話すことを一言ももらさず聴いてくださるそうです。つまりマザー・テレサの“全身で”包み込み、肯定してくださる態度に私たちは“救い”を感じ、“優しさ”を取り戻せるのです。
さて、では、どうやったら私たちはマザー・テレサのように愛の種を人々に蒔けるのでしょうか。あるいは人々がもともと持っている愛の種を育てることができるのでしょうか。神父様曰く、「まずは自分の命をかげかえないものであること、生きていることは素晴らしいということを自身が喜びましょう」とのこと。そうですよね。自分が信じていないことを、他人にできるわけがありません。根源的肯定を、まずは自分自身から・・・です。
“全身”で自分を包み込み、自分が肯定し、自分が自分を認めてあげる。
とても簡単なことのようで、難しいこと。でも、すぐできることです。豊かな命を生きるために、少しでもできることから始めませんか。