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【学生とご家族の皆さまへ】



 

学長メッセージ「希望を持って最善を尽くす」

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症でお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げます。そして、現在治療に専念されている皆さま、外出自粛等により生活環境や経済的な苦境に見舞われている皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
 また、感染症拡大防止対策により多大な影響を被っている学生とそのご家族の皆さまにも、ご支援・ご協力への心からの感謝と、お見舞いを申し上げます。

 私たちは、この感染症の影響により、世界的レベルでの公衆衛生の維持と、経済的停滞の早期解消という、対立する課題を突きつけられています。簡単に答えの出るものではありませんが、多くの方々がこの事態の早期解決と鎮静化に向けて尽力しています。

 こうした状況で、桜の聖母短期大学でも、学生の皆さまにとって、どうすればより良い教育環境を提供できるのか、私たち教職員も模索を続けています。
昨年度の3月14日の卒業式は、何としても実施したいという私たちの強い思いで、簡素化しながらも実施することができました。9年前の3.11は、私たちの卒業式の前日で、翌日は、短大が仮の避難所となって卒業式はできませんでした。本当に辛く悲しい思いが、記憶に強くに刻まれていますから、何としても実施したいと願いました。
 

*2019年度卒業式

 
 その後の感染拡大により、残念ながら、今年度の4月5日に予定していた入学式は、実施することができませんでした。その替わりに、入学生向けの動画を配信しました。その動画配信と同時に、本学の専門家による感染症予防対策についての学生向けの動画も配信しました。入学式中止と動画配信のお知らせを、全ての入学生と在学生、合わせて約280名に教職員が手分けして電話連絡をしたのですが、4時間ほどで全ての学生と話ができた事に、感動しました。私たちはつながっていると。
 

 
 政府の緊急事態宣言と福島県の緊急事態措置を受けて、前期授業の開始が、予定より1か月遅れた5月11日㈪になりました。私たちは、学生とそのご家族の安心と安全を最優先し、様々な対策を講じて、学生の皆さまをお迎えしました。

*サーマルカメラによる検温

 
 まず、短大構内への出入り口を一個所にし、検温できるサーマルカメラを設置しました。あらゆる教室の出入り口にアルコール消毒液を置きました。本学は、もともと、朝と夕に2回、業者の方による清掃が入るのですが、その業者にお願いして、毎日、手すりやドアノブ等の消毒をして頂いています。

*各教室入り口のアルコール消毒       *1日2回の消毒

 
 学生と教職員の皆さま全員に、マスクとフェイスシールドをお配りし、各教室は人数制限をし、クラス分けをして三密を防いでいます。また、本学は教室での飲食を禁止していましたが、現在は、三密にならないようランチを食べる教室を開放しています。さらに、学生ホールでは椅子の数を少なくして、1テーブル1人でできるだけ食べられるような配慮もしています。
 

 
 こうした感染予防対策を徹底しながらも、5月は原則としてインターネットを介した遠隔授業を実施しました。やはり、学生への電話確認で、全員の学生がインターネットを利用できることが分かったからです。インターネットによって、学生の皆さまの顔が見られたときは、教職員一同、ホッとしました。また、そこに映る学生の皆さまの様子も安心していることがよく分かりました。さらに、学内のWiFi環境も拡充しました。
 

*遠隔授業の模様

 
 6月からは、通常の対面授業に徐々に移行し、7月からは、ほとんどの授業を対面で実施しています。学長室にも聞こえて来る学生の皆さまの明るい声に、本当に励まされています。
細心の注意を払いつつ、調理実習も、食事を学生と教職員に提供する学内実習も、幼稚園・保育所・施設実習や栄養教諭になるための教育実習も実施しています。
 


 さらに、1台の大型バスに10数名で乗り、南相馬市に行った「福島学」の学生たち、須賀川の図書館見学に行った司書課程の学生たち。

 人数限定での「親と子の広場」で地域の子どもたちと関われた保育者養成課程の学生たち、栄養士養成課程の学生たちによる、地元のスーパーいちいさんとのコラボ弁当の商品開発等々、「新しい生活様式」を取り入れながら、桜の聖母短期大学が、これまで大切にしてきた実践的な学びを提供し続けています。

 
 丁度、この四月から始まった国の高等教育修学支援新制度において、機関要件の対象機関として本学も認定され、多くの学生への就学支援を始められました。さらに、感染症拡大の影響で家計が急変した学生には、国からの支援と本学独自の修道会からの支援への申請を呼び掛けています。また、学内アルバイトの実施や福島市役所でのアルバイトの紹介等、様々な経済的支援も実施しています。

*学内でのアルバイト

 
 キャリア支援センターも、就職説明会や採用試験がインターネットを通じて行われることに対応して、その機会を学生に提供し、進路支援をしています。少しずつですが、内定者の嬉しい報告もありました。

*キャリア支援センターによるZOOM体験

 
 学生の自治組織である学生会も取り組みを始めてくれました。10月30日に予定しているハローウィンや、例年11月3日文化の日に予定している「あかしや祭」という学園祭を、どのような形で実現できるのか、学生たちは熱心に話し合っています。
 

 
 オープンキャンパスも、人数を制限した予約制で6月から実施しています。このような状況下でも、本学に足を運んでくれる高校生やその保護者の皆さまに、深く感謝しています。
 

 
 また、本学として大切にしている地域貢献の場である生涯学習センターでは、再開講座の第一弾は「オンライン体験会」初心者編でした。ウイズコロナの時代、オンラインは必要不可欠になってきています。今回は、オンラインの基本の説明、実際にオンデマンド型の講座の受講や、インターネットを使用した会議システムの体験、LINEのやり方の説明を行い、地域の皆さまからとても喜ばれています。
 

*オンライン体験会

 
 全国の感染者数や福島県でも感染者が確認されている状況から、インターネットによる遠隔授業を求める声もあります。しかし、桜の聖母短期大学は、学生が教職員や友人たちと直接会って授業を受け、実際に体験・経験する学びを提供していくことが、学生自身の大きな成長につながると考えています。
 
 
 10月1日から始まる後期の授業も、原則として対面での授業を予定しています。
 
 短大では可能な限り感染防止策を講じ、万が一学内で感染が広がる可能性が生じた場合や状況が大きく変わった場合には、学生とそのご家族の皆さまの安心・安全を最優先し、再びインターネットによる遠隔授業に移行することも想定しています。短大として学生の皆さんへのサポートは引き続き行っていきます。不安な事があれば何でも、学務部や学生支援部、顧問の先生に相談して下さい。
 このような危機的状況だからこそ、学生やご家族の皆さま、教職員が一体となって様々な形で努力し、工夫することが求められています。今、私たちがなすべきことは、三密防止という外出自粛の制約の下で感染を避けることはもちろんですが、限られた条件の中でも、「まなび」と「つながり」を実践していくことです。
 
 新型コロナウイルスは残念ながら今後も存在し続けるでしょう。ワクチンや治療薬は開発中ですが、実用化には、やはり年単位の時間が必要と言われています。学生の皆さまにとっての1年は非常に貴重な時間であり、その時間を実りあるものとしていくことが短大には求められていると考えています。
 
 引き続き、学生の皆さまは、随時更新されている、本学の「新型コロナウイルス感染拡大防止のための学生行動ガイドライン」をご確認下さい。「自分が感染しない」ことに注意を払うと同時に、「他人に感染させない」という、自分を守るだけでなく周囲へのやさしさや思いやりをお願いします。特に、感染してしまった方々への思いやりの気持ちを常に持って下さい。いつ、誰が、どこでも感染する可能性はあります。
 
 新型コロナウイルスと共に生きる生活は避けることができないでしょう。桜の聖母短期大学は、学生とご家族の皆さま、関係する皆さま全員のご協力により、この苦難を乗り越えることができると信じています。
 私たち教職員と共に「withコロナ」の「新しい生活様式」を身につけ、感染予防しつつ、桜の聖母短期大学ならではの学びのために、希望を持って最善を尽くしていきましょう。
 
 

 

2020年9月30日㈬

桜の聖母短期大学 学長 西内 みなみ

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